top of page

好きな言葉集 3

 改めましてお世話になっております。ここまでご覧頂きありがとうございます。

すでにTPC活動、QC活動とは直接関係ない「好きな言葉」シリーズとなっては

おりますが、もちろん関連する部分はあります。何か少しでもプラスになることが

あれば、このサイトの意味があるかと思いますので、そうであれば幸いです。

色々な情報、色々な言葉が世の中には飛び交っています。

ここで大切なことは

真に受けるな!

ということです。散々好き勝手言ってて何言うてんねん。と思うかもしれませんが

鵜呑みにせず、自分に合った言葉を吸収することが大切です。

「真に受けるな」と言っても、馬鹿みたいにへりくつで反発しろというわけでは

なく、ちゃんと自分で意味、意図を「考える」ことをしましょうという事です。

自分の考え方や経験によって心に響く言葉は異なります。以前読んだ本があまり

面白くなかったと思っても、数年後読んだら感動した、という事も、その原理

となります。(だから、本は読んだ後も捨てないで持っておく方が良いです)

言葉で左右されるのではなく、言葉を利用して、自分の意志を固めたり、一歩を

踏み出す勇気に変えればいいのです。軸は、常に自分の中にあります。

他人の言葉のせいにしても何もはじまりません。言葉は教科書ではなく参考書。

自分が本能として欲しがっている言葉は、スーっと心に入っていきます。

それを素直に受け止めながら、自分の意志で動き出せば良いかと思います。

なので、くれぐれも、このサイトの言葉のせいで勇気出して失敗したやないか!

とか言わないようによろしくお願い致します。自己責任で。​

とは言え、苦情がある程度あればサイトは閉鎖させて頂きますのでご安心を。

むしろ成功談があれば、広く展開していきますのでお声かけ頂ければ嬉しいです。

すぐに行動する!

ikanoosushi4_sugunigeru.png
15.すぐに行動する!

 これは、よく聞く言葉かと思います。結論から言えば、そーした方が、楽で

楽しく過ごせます。逆に、これをしないと大変で気持ち的にも窮屈で、やりがいも

なく、常に追われている気持ちになります。

すぐやる!という事で有名なメル・ロビンスの「5秒の法則(5秒ルール)」が

あります。私はやっておりませんが、考え方は一緒かと思いますので、紹介を

させて頂きます。

やらなくちゃならないことをつい後回しにすることや、判断に迷って放置して

しまうことがあるかと思います。人は、「やるかやらないか」と考えたとき、

防衛本能として守りに入る考えになるようになっています。つまり、やらない

言い訳を本能としてものすごい勢いで考えます。それにかかる時間が5秒。

なので、5秒考えると、ブレーキが掛かってしまうのです。そのブレーキで

判断が鈍り、後回しにしたり、チャレンジを避けたりしてしまいます。

それは「逃げ」というわけではなく、人の特性として理解しておきましょう。

しかし、その防衛本能のせいで、チャンスを逃したり、後回しにして問題が大きく

なってしまうことがあります。防衛本能は効率的判断でもなく生産性考慮もされて

おらず、ただ目の前のリスクを避ける言い訳を作り出すシステムです。

勇気を持って臨むときも、その防衛本能でブレーキを踏んでしまうのは残念なこと

なのです。なので、そのブレーキが掛かるまでに動き出してしまうことが大切。

それが「5秒の法則」となります。

何かに迷ったり一歩踏み出すとき、1、2、3、4、5!と数えて動き出すという

方法です。もちろん数えずに動き出せればそのまま動けばよいです。ブレーキを

踏みたがっていると分かっているときは、この方法でエイッと一歩を踏み出して

みてはいかがでしょうか。

毎日の中で自分で決めて動かなくてはならないことがあります。

先延ばしにすると、「やらなくてはならないこと」が増えます。これは、どんどん

溜まっていきますが、ある程度溜まると一気に精神的負荷が膨れ上がって判断

出来なくなってしまします。それはとても苦しく大変なことです。

しかし、それを無くす方法があります。それを無くせば体も心も軽くなります。

​すぐやる!!

ということですね。やってみれば意外とできるもんです。

考えるべきことはどんどん出てくるので、やれることはすぐにやってしまい、

考えることを減らし、次に考えることが考えられるように環境を整えてしまうのが

心と体を楽にする方法です。

すぐやるっていってもねー、、とさっそくブレーキが掛かってしまったとすれば、

逆に考えてみましょう。

今日、どんどん課題が出てきます。簡単そうなものから、難しそうなものまで

あります。これを、すべてすぐに動かないで下さいと言われたらどうですか?

どんどん溜まります。それは必ずやらなくちゃならないことなので、溜まる一方

です。やってしまえば終わるのに、やってはいけないと言われると溜まる一方。

嫌ですよね。宿題は抱えたくないですね。なので、すぐにやることが一番の近道。

気づいたときが一番のやり時。やっていけば判断力や処理能力もどんどん向上して

いきます。

仕事が出来る人ほどすぐにやってしまいます。なので瞬時の判断や決断が早く

無駄な動きが少ないです。無駄な動きをすくなくするためにも「すぐやる!」が

重要となります。

 年末になると、年賀状を書かなくちゃいけないよねーと頭の片隅のやらなくちゃ

いけないリストに追加されます。そもそも今の時代年賀状ってどうなん?とか、

無駄な思考をめぐらせてさらに無駄な時間を増やしてプレッシャーとイライラが

募ります。実際やれば終わってしまう事です。が、なかなかやりませんよねー。

今回私はこのサイトを編集するにあたり、「すぐやろう!」の気持ちが背中を押し

12月の最初の土日の合間に完成させました。いつもはネットでデザインを拾い

エクセルに家族写真と一緒に貼って印刷するという方法ですが、今回は自分で全て

書いちゃおう!ということで子供の習字道具を借りて作りました。さらに、色合い

が寂しいので水彩道具も使って色付けしました。まぁねずみ色ですが。。

結果、今までやったことのない年賀状作成にチャレンジ。作成時間もいつもより

多くかかりそうなものですが、意外とスムーズに作業も進み、完成しました!

変な話、これでもう年賀状を作らなくちゃならないって思う時間とプレッシャーは

ゼロとなりました。やらずに放置して、やらなくちゃいけないなぁと思う時間が

いつまでも続く道を選択することがどれだけ無駄なことか、人生の中で、その時間をどれだけ自分で無意識に作り出しているのか、本当にもったいないことです。

後回しにしたい気持ちや、目の前のやらなくちゃならないことからの逃げは誰でも

ありますが、結果、無駄っす。

しかも、自分からやったら気持ち良く出来ることも、人に何度も言われてやると

やりがいもくそもありません。てことは、後回しは良いことなしですよね。

でもー、とか、分かっちゃいるけど、、とか、一歩踏み出せない場合は

クダクダ言わずとっととやっちゃえ!!です。

まずは行動!その結果はすぐ体感できますから!

働き方改革の本当の

目的は生産性向上!

27b21646.jpg
16.働き方改革

 働き方改革という言葉は聞いたことがあるかと思います。

実感的には残業をしないとか、有給休暇をちゃんと使うとか、そんなイメージだと

思います。「働き方関連法案」が2019年4月から施行となり、ニュースでも

よく聞くようになりました。これは何のためのものかご存知でしょうか。

何か問題があってそれを改善するための法案となります。その問題とはいったい何

でしょうか?

長時間残業、過労死、悪環境による健康被害など、職業ごとでいろいろな問題が

あります。しかし、働き方改革を実施せざるを得なかった一番の問題はそれらでは

ありません。日本の労働の生産性が悪いことです。生産性を向上させて世の中に

お金を循環させ景気を向上させることが目的です。

なんとなく、働く人のことを考えて労働者の作業環境を良くすることが働き方改革

の目的なような気がしますが、それが直接の目的ではありません。

少し裏付けを説明します。

経済協力開発機構(OECD)という国際経済について協議する機関があります。

36もの国が加入しており日本も加入しておりますが、その中の主要先進7カ国

の中で、時間当たりの労働生産性の順位が日本は7位となっており最下位です。

全体でみても20位となっており半分以下の順位です。(2018年データ)

これは、日本は働く時間のわりに生産の結果成果を出していないという明確な

データとなります。とても残念な事実です。が、事実です。

生産性とは、同じ成果を出す場合、時間が短いほうがいいという事です。

同じ時間であれば、成果が大きいほうがいいです。

従来の日本の働き方として、長い時間働いたほうががんばっている、休みも取らず

に働くことが頑張り者で偉い、というような風潮がありました。結果、世界的に

視野を広げてみれば、生産性が低いという結果です。生産性が低いという事は

経済の動きも鈍くなり、景気も悪くなる。なので、それではいけないので、何か

動き出そう、ということでスタートしたのが働き方改革です。

先にも述べたように、残業時間を無くす、有給休暇を義務化する、というのが

分かりやすい部分になります。特に自動車業界の場合は動きが顕著に表れており

17時半以降は会社にいることが許されなかったり、もちろん仕事を持ち帰る

ことは禁止されているところがほとんどです。では、今まで10時間働いて

いたのを8時間で強制的に決めてしまうことで、10やっていた仕事を8でOK

なのか、と言えば、そうではありません。10を8時間でやる必要があります。

それをするために業務の改善を行い作業性を向上させる必要があります。その為の

働き方改革となります。結果として一時的、部分的、瞬間的には労働者負荷が高く

なります。

作業改善を行い、生産性を向上させ、今までやっていた10の量を8時間で遂行

出来るようにし、プライベートの時間を増やし、買い物や外食など経済を回す

動きになることが目的となります。

労働者の負荷を減らして、ゆったりと仕事や生活が出来るようにという目的の

法案ではないこと、むしろ労働者の現状に甘んじた環境を変えるべく業務改善を

せざるを得ない状況に追い込むための法案、またその目的が明確でこれからの日本

にとってとても重要で必要なことだということは理解しておく必要があります。

もし働く人の為の法案であり、働く人が生産性を向上させることなく勤務時間だけ

を短くしたとすれば、国にとってはプラスがないどころか崩壊へまっしぐらです。

方案には上記のような明確な目的があるのにも関わらず、自分の事ばかり考えて

勘違いしてはき違えているようでは周りにもいい影響が出ないので、しっかりと

目的を認識しておきましょう。

求められているのは、まさにTPCのような改善活動による作業効率向上そのもの。

今まで10時間で10の仕事をしていたところを8時間で10の仕事をするのは

簡単なことではありません。しかし、それをやっていかなくてはなりません。

生産性向上にまずやるべきは、無駄の削除。生産性向上と言えばすぐにロボットの

導入やIotの活用など、出来ない人ほどすぐに出来ないことを適当にほざきます。

そんなことよりも、まずやらなければならないことが、「無駄の削除」であり、

その前に必要か無駄かどうかの判断、認識となります。

言われたことだけ何も考えずに馬鹿みたいにやっている人は、その判断はさすがに

出来ません。迷惑を掛けないように言われたことだけするのがよいでしょう。

言われたことすら出来ない人は論外なので置いておきましょう。出来るひとから、

やりたいと思う人から進めていかなければならず、進め方はそれでいいです。

必要のないことに追われているのが一番の時間の無駄です。どんどん「無駄」を

なくし、「必要」なものだけをしっかりと取り組むこと。

「断捨離」という言葉が流行りました。部屋を掃除する際に、いるものといらない

ものを分けて、いらないものを捨てる。その時の基準として、使えるものかどうか

は関係ない。いざというときにあったらいいかどうかも関係ない。すぐに手に入る

ものは必要な時に入手すればいいので、持っておく必要はない。本当にどうしても

必要かどうか、という判断が重要です。どんどん無くしましょう。具体的には

「会議」「会議資料」「集計表」「過去の資料」などで、どうしても欲しいもの

以外は無駄。以前は必要だったかもしれないけど、主役無き今も惰力でやっている

に過ぎないものもあるかと思います。まずは無駄をなくしてすっきりさせる事。

 

そのあとは、作業のやり方そのものをもっといい方法が無いか考える。イメージが

わけば、とりあえずやってみる。そうやって1つ1つ進めていけば、生産性向上は

必ず実現出来ます。それを自分たちではグダグダ言い訳して進まない人たちの為に

国が今まさに健全な危機感のもと、推進しているわけです。

その為の最大のツールである「TPC活動」をフルに活用していきましょう。

 

自己実現という

幸福の感じ方

kafun_sukkiri.png
17.自己実現

 幸せ、幸福の定義としては、色々とあります。何をもって幸せか、人それぞれ

ものさしが異なります。よって、幸福はこうだ、という概念はありませんが、

幸福について、「欲求」の視点から分析している「マズローの法則」を以下で

説明させて頂きます。ふとした瞬間に思い出せるように覚えておいて下さい。

幸せを感じるためには「スシローのマグロ-をタベヨー」的な覚え方をすると良い

のかもしれません。しかしそれでは「マズロー」ではなく「マグロー」しか思い

出せないかもしれません。何か言葉を覚えるのには日常のものと重ね合わせて

キーワードとして覚えるのが覚えやすいかと思います。以下「マズローの法則」に

ついて興味を持って頂ければ、自分なりの覚え方で覚えて頂ければ幸いです。

ちなみに私は寿司で言えばスシローのファンです。焼肉であればぐりぐり家です。

​ここは覚えて頂かなくても結構です。

この話を私が初めて耳にしたのは友鉄マシン設立者の友廣大造元社長がグループの

新年互例会で話をされた時でした。面白い話だなと思いながらも、正直後半が

よく分からないなと感じていました。今となれば後半が重要であり、その時に理解

出来なかった原因が、その時私のスキル、経験、受け取り能力の未熟さだった

のかなと思います。それでも私の中に深く印象づいた話でした。

maslow.gif

上のピラミッドを見たことはあるでしょうか。これが人間の欲求を5段階に分けた

「マズローの法則」となります。アメリカの心理学者マズローが唱えた説で、心理

学や社会学、社会福祉やマーケティングなど幅広いジャンルで活用されています。

文章を見ながら時々上のピラミッドを見て確認頂ければと思います。

人間の欲求をピラミッドに見立てたもので、下の階層から欲求を求め、満たされれ

ば上の階層の欲求を求める、というものです。

 

まずは一番下が「生理的欲求」であり、食欲、睡眠欲、性欲など、生きていく上で

欠かせない欲求となります。最もレベルの低い欲求とされています。

次に「安全欲求」であり、安全に安心に生活したいという欲求です。慣れ親しんだ

場所で家を構えて安全に安心できる環境を求める欲求です。

それが満たされれば次に「社会的欲求」を求めます。自分が何らかの役割を持ち、

社会や誰かに必要とされている、という欲求で、学校や会社などの団体の中に存在

していたいという求です。この欲求が満たされないと孤独を感じてしまいます。

次に、それを満たせば「尊厳欲求」を求めます。「承認欲求」というほうが分かり

やすいかもしれません。誰かに評価してほしいという欲求です。その中でも、地位

や役職など人からの評価を欲しがる低次の承認欲求と、自分自身の評価を求める

高次の承認欲求があります。これも低次承認欲求を満たしたのちに高次承認欲求を

欲しがります。人を引きずり落とすことで自分の評価を得ようとする欲求が低次

承認欲求で、人に影響されるのではなく自分と向き合い自己評価を求める欲求が

高次承認欲求となります。

そして、一番上の欲求が「自己実現欲求」となります。それまでの欲求を満たす事

で最終的に求める欲求となります。自分はなにものか、どんな自分でありたいか、

どんなことを成し遂げたいか、という欲求です。他人に求めず、自分の目標や成長

に強い関心を持つ段階となります。

そして、その5段階の欲求において、上の階層に行くほど満足度が高いと言われて

います。つまり、本当に幸せだと感じる度合いが高いということです。

不満や愚痴をこぼしてばかりの人は、おそらく下の階層の段階でしょう。会社の人

を思い出してみると、あの人はここだな、とか何となく分かる気がするかと思い

ます。人のことをどうのこうの言う必要はないので、自分の心の中にしまって

おいて下さい。

友廣大造元社長が言っていたこと、言いたかったことは、きっと低レベルの欲求を

満たせず文句ばっかり言ってないで、ちゃんと自分で成長して上の階層の欲求を

満たすことで今の仕事にやりがい、ほこり、達成感や満足感を感じましょう!的な

ところだったかと思います。確かに、今の自分の欲求段階はどこか、それに伴い

今の満足度がどうなのか、実感できるところがあります。

 

また、この「マズローの法則」は、人材育成にも活用できます。いつも人の悪口を

言って周りの人をうんざりさせている人がいたとすれば、「陰でクダクダ文句

言ってんじゃねぇ!この面と向かって何も言えねぇビビりの陰気カス野郎が!」と

感情的になっても何も解決しません。その人を観察し、どの欲求が満たされて

いないから、そのような態度をとるのか、と考えると、どうアクションすれば変化

が生まれるのか分析することが出来ます。自分が周りから認めてほしいのに、

周りはほかの人を褒めるから、足を引っ張りたくて悪口をいっているんだな、など

分かれば、何かの機会に褒めたり承認することが状況が好転するきっかけになる

かもしれません。「マズローの法則」は現状の自分を知るだけでなく、そうやって

コミュニケーション分析ツールにも活用されています。

自分自身がどんな階層の欲求なのか、また満足度、やりがいなどはどうか、

この機会にじっくりと考えてみるもの良いと思います。

「マズローの法則」覚えて頂けましたでしょうか。個人的な人間性、経験、スキル

に直結する部分が大きいですが、TPC活動にも大きく関わってきます。自分たちで

どうしたいか、どうなりたいかを考え、目標を設定し、それをクリアする達成感は

自信と次のステップアップにつながっていきます。限られた時間でそのような貴重

な経験を重ね、満足度の高い「今」そして未来を自分の手で作り出しましょう。

知れば面白い

businessman_dekiru.png
18.知れば面白い

 仕事やプライベートで、面白いことも、面白くないこともあるでしょう。

どちらかと言えば、面白いことが増えた方がいいかと思います。しかしなぜ、その

2つに分かれてしまうか、と考えてみると、いくつかある要因の中の一つに

「使える知識の深さ」があります。知っていることを説明するのはとくに苦では

ありませんが、知らないことを説明したり聞かれたりすることはストレスです。

それは、周りは関係なく、ただ自分が「知らない」ということによる違いです。

興味のあることをどんどん知って、使える知識を増やしていくと、面白いことが

どんどん増えます。面白いことを増やすという目的で、どんどん知識を吸収して

いきましょう。これを知ったら、こうできるな!という楽しい未来を描くと、

楽しむために学ぶその行為がさらに楽しくなっていきます。

ここで、鋳物メーカーのTOMOTETSUとして基礎知識である「鋳鉄」を振り返って

みましょう。鉄の一般的な説明を分かりやすくさせて頂きますが、鉄に興味のない

方は必要ないかと思うので、スルーで構いません。

鋳鉄

 鋳鉄とは、鉄合金のひとつで、鉄を溶かして型に流し込んで作ったものを

指します。鉄を溶かし、カーボンCを溶かして流れをよくすることで、複雑な形状を

作ることが出来るのが特徴です。

材質を示す「FC」の「F」はFerrumの頭文字で、鉄FeのFとなります。

「FC」の「C」はCastingの頭文字で、鋳造(型に流し込む)という意味です。

直訳すれば、「FC」は鉄を「型に流し込んで作ったもの」となります。

 鉄と言えば、色々な種類があります。一般的によく使用されるものはSS400と

いう材質の鉄となります。これは鋳鉄のように型に流しこんで作るのではなく、

鉄原料を溶かしきれいにしてから一定の大きさに一旦固めて、熱を加えながら圧力

を加えて伸ばして形を整えて製造します。建物など多くの場所で使われています。

SS400の「SS」とはSteel(鋼) Structure(構造)の略で、建築や設備の骨組みなど

構造部分で使うための鉄材料という意味となります。400は引張強さを示します。

​「引張強さ?鉄を引っ張る?いや、引っ張らねーし。」と思うかもしれません。

「いや、むしろ鉄は硬さが強さなんじゃねーの?引っ張るとかw草生えるわ」と

思うかもしれません。しかし、建物を建築する際に、その骨組み(H鋼等)には、

屋根や壁、床などを支えるために強い力が掛かります。その時に多少曲がります。

曲がってもちゃんと支えてくれれば、多少曲がることそのものは普通の事で問題

ありません。曲がった時に、よくよく見てみると、材料の中では圧縮と引張の力が

働きます。引張強度が弱いと、曲がった時にその強さに耐えられず、ポキンと

折れたり切れたりしてしまいます。なので、ある程度曲がっても折れないだけの

引っ張る力に強い材料が必要なのです。材料そのものを引っ張るというよりは、

曲がった時に材料に引っ張る力が掛かるので、引張強度というものが必要となって

きます。逆に、硬さについてはそんなに求められません。硬ければ硬いほど、

穴あけや切断がやりにくく、さらに柔軟性がなく曲がりに弱かったりします。

よって、建築などに使われる一般的な鉄材料SS400は引張強度を示す数字の400が

ついています。

ちなみに材料としてよく使うものにS45Cという材質もあります。SS400よりも

強さが欲しい時に使う材料となります。この場合、SはSteel(鋼)を示し、45は

カーボン含有率となり、CはCarbon(炭素)となります。つまり、S45Cという

材料はカーボンCが0.45%含まれている鋼ですよ、という材質となります。

「そこは引張強度ちゃうんかい。さっき、そーゆうとったやないかコラ。」と思う

かもしれませんが、使い方が異なるので、この場合は材料成分のカーボン含有量

が使われています。この材料は機械部品に使われることが多いので、その成分の

方が強度より重要視されます。建築で使用されるSS400は、成分よりも強度が重視

されます。その使用用途によって材質の表記が異なるのです。

ここまでの話で、つまり、鉄にもいろいろな材質があるけども、その材質を示す

アルファベットと数字で、強さだけでなく作り方(Cは鋳造)、使い方(SSは構造物)

などが折り込まれているということが分かります。

材質の頭にSが付けば「Steel=鋼」となり、Fが付けば「Ferrum=鉄」となります。

「鋼」と「鉄」は含有カーボン量によって異なりそれぞれの特性がありますが、

なかなか深い話になりますので、説明はここまでとします。

実は、知れば知るほどめちゃめちゃ面白い材料の話となります。

とは言え興味がない人にとっては何の面白みもない話なので、無駄話には批判も

せず付き合わずにスルーしておいてくださいませ。

ただ、せっかくなのでFCとFCDのお話だけさせてください。

「FCDはあれだろ?黒鉛が丸い球状黒鉛鋳鉄の事でしょ?」と知ったげに嬉しげに

言う人がいるでしょう。正解です。もちろん正解ですが、「で?黒鉛の形なんて

クソどーでもいいけど、それがFCと何がどう違ってどんな効果があって使い分けを

されてるのかが重要だろうが。そこを教えろコンニャロメ。」という事です。

FCとは先ほど説明した通り、FerrumCastingの略で鋳造品という意味です。

FCDはFerrumCastingDuctileの略です。「いや、読めもせんわ」と言うかもしれ

せんが、読みはフェルム・キャスティング・ダクタイルとなります。

「ダクタイルね!ダクね!」という事です。「で?ダクってどんな意味や?」と

なります。Ductileは「伸びる、延性のある」という意味です。つまり、伸びる鋳鉄

というのがFCDとなるのです。「いや、伸ばさねーし!」という声を聞こえて

きそうですが、その伸びで材料の粘り強さを出すことが出来ます。先ほどまでは

引張強度の話をしましたが、ここで伸びの話が出てきました。引張強度と伸びは

全く別物となります。材料に何を求めるかという問題となります。混乱しそうです

が、うまいこと割り切って考えてみて下さい。

何度も圧力のかかる金型で、直接その金型にかかる負荷に応じて材質を決めて

いきます。決めるのは基本お客様ですが、知識があれば提案することが出来ます。

材料の強度に対し、大きい負荷が掛かり続けると、伸び縮みの繰り返しで割れが

発生してしまいます。それを防ぐために適切な材質の選定が必要となります。

もちろんハイスペックの材質はコスト的に高いです。無駄にスペックアップさせて

コストアップさせてはお客様にとってメリットがありません。さらに、「だったら

一番いい材質を安くくださーい!」と何の知識も目的もなく電気量販店に行って

店員を困らせるど素人な発言が通用するかと言えば、そうではありません。

単純にFCの機械的性質のハイスペック版がFCDとなりますが、FCDよりもFCが

優れている能力もあります。なので、結局使う「目的」によって材質をしっかりと

選定する必要があるのです。その選定をお客様で行った後、図面に明記され、

製造依頼を頂く事となります。てことは裏を返せば材質を見ればその製品の使われ

方が垣間見れるというわけです。書いてあるからこの材質!という何も考えず動く

アンポンタンだと、もしお客様が間違えた材質を記入していてもそのまま流れて

しまいますから、やはりプロとして知っておかなくてはなりませんね。

客様のニーズは金型の使い方、設計によって異なりますが、その要求をより追究し

ハイスペックなものを開発研究し、友鉄工業ではTOS、TFG、TFDなどの

オリジナル材質を提案提供しております。それらの材質が大手自動車メーカー様に

着々と認知、採用頂いております。今後もどんどん変わりゆくお客様のニーズに

どれだけ応えられるか、企業のスキルとして試される場面は増え続けます。そこに

具体的にアクションし結果を残すことで次の時代に存在する価値のある企業として認めて頂けるわけです。そのためにも、現状で良しではなく、常に改善を進めて

いかなくてはなりません。とはいえなかなか今までのルールを変えるような改善を

行うシステムなんてありません。一社員がどうのこうの言っても改善を提案する

場面なんてありゃしませんよ。ん?いや、待てよ?!うちにはTPCがある!!

てことで、TPCをどんどん活用していきましょう。

ということで、少々マニアックな話にもなりましたし、強引な話の終わり方をした

​ことについてはすみません。次からは、引き続き「好きな言葉」を再開します。

thOXJY3IDJ.jpg
istockphoto-880227048-612x612.jpg
bottom of page